エクスプレスエントリーで永住権を申請している人にとって、ショッキングなニュースとなりました。
IRCCからの内部メモによると、2022年前半はFSW、CEC、FSTの候補者に対して新しいエクスプレスエントリーの抽選は行われません。
また、2022年を通してFSWの処理時間が36か月に増加する可能性や、エクスプレスエントリー候補者の全体的な移民目標数は約50％減少することを示唆しています。
スキルドワーカー(FSW)
カナダ国内外問わず申請から10年以内にフルタイム1年以上相当の連続した職歴があること
カナダ国内の雇用先なしで申請可能
その職種はスキルド職種（NOC：０、AまたはB）であること、など
カナディアンエクスペリエンスクラス（CEC）
申請から過去3年以内にフルタイム1年以上相当のカナダでの職歴があること
その職種はスキルド職種（NOC：0、AまたはB）であること、など
フェデラルスキルドトレード（FST）
カナダ国内外問わず申請から５年以内にフルタイム２年相当以上の職歴があること
その職種はスキルドトレード該当職種であること、など
※IRCCの正式な発表ではないので、変更される場合も大いにありえます。
2021年11月に書かれたIRCCのメモは2022年1月19日に一般に公開され、カナダ移民の優先順位の大幅な変化を明らかにしています。
長年にわたり、FSWはカナダに経済的貢献できる技術や技能をもっているスキルドワーカーにとって一番の永住権への近道でした。
そしてCECも、カナダ国内でNOCに該当する職種で1年以上就労すれば申請できるため、スキルドワーカーで永住権申請者にとっては目指しやすいプログラムでした。
2022年には、新パスウェイ(TR2PR)への入国と、アフガニスタン国民のカナダ定住に対応するために、FSWとCECの優先順位が下げられます。
IRCCメモによると、2022年に5つの主要なエクスプレスエントリーの更新が含まれていました。
1. 2022年前半に一時停止される可能性
先ほど記載したように、FSW、CEC、FSTのエクスプレスエントリー抽選は、2022年前半に一時停止される可能性があります。
“No new FHS intake is required for at least the first half of 2022.”
IRCCメモ(https://moving2canada.com/ircc-memo-express-entry-2022-no-draw-for-six-months/)
「少なくとも2022年の前半には、新しいFHS（FSW、CEC、FST）は取りません。」
IRCCのメモによると、非常に多くのエクスプレスエントリー候補者がすでに招待状を受け取り、PR申請書を提出しているため、2022年に新しく招待状を送らなくても、ターゲットを達成することができること、2021年11月の時点で約76,000人のエクスプレスエントリー申請者が審査中であったと推定している、と記載がありました。
その結果、
「少なくとも2022年の前半は、新たなFHS(Federal High Skilled stream)は必要ない」
という結論に至ったようです。
これにより、200,000人近くのエクスプレスエントリー候補者がプールに残っているため、少なくとも7月まで招待される見込みはなく、さらに抽選が7月に再開されるという保証はありません。
しかし朗報としては、PNPの抽選は継続されるということです。
PNPについては記事の最後に記載します！
2. 移民目標が2022年に50％以上減少
“The FHS admission target could be significantly reduced […] by more than 50 percent.”
IRCCメモ(https://moving2canada.com/ircc-memo-express-entry-2022-no-draw-for-six-months/)
「FHSの目標は50％以上大幅に削減される可能性があります。」
2021年、カナダはエクスプレスエントリー(FSW、CEC、FSTプログラム)を通じて約11万人の新しい永住者を受け入れました。
2022年には、その目標を50％以上下げる可能性があります。
2022年、カナダは、アフガニスタン国民のカナダ移住、そして新パスウェイ（TR2PR）を通じて、多数の新規移民の入国に対応するために優先順位を変更する予定です。
アフガニスタン国民とTR2PRが優先されているため、IRCCは、
「Express Entryのターゲットは、前の移民計画で割り当てられた110,500の50％以上の減少の可能性がある」
と述べています。
本日、2022年2月14日、2022-2024年のカナダの移民レベル計画が発表され、その通りになりました。
後ほどブログで解説いたします。
3. スコアの足切りは500点になる
“The CRS score cut-off will likely rise above 500 points for about six months when regular draws resume”
IRCCメモ(https://moving2canada.com/ircc-memo-express-entry-2022-no-draw-for-six-months/)
「Express Entry抽選再開後、CRSスコアの足切りは約半年500点を超える可能性があります」
FSW、CEC、FST候補者のエクスプレスエントリー抽選は、少なくとも7月まで再開される可能性は低いですが、再開されると、IRCCは少なくとも6か月過去最高のCRSスコアのカットオフを予測します。
IRCCメモでは、
「プール状況を考えると、招待状を受け取るために必要なCRSスコアは、招待状が一時停止されているか、適度なペースで再開されているかに関係なく、500点を超えて高いままになる可能性があります。」
と述べています。
2021年のCRSスコアはCanadian Experience Classで300台後半～400台中盤だったため、500点台はかなり高い数字です。
4.FSWの審査期間は36か月かかる
“The FSW processing time is expected to rise to 36 months throughout 2022.”
IRCCメモ(https://moving2canada.com/ircc-memo-express-entry-2022-no-draw-for-six-months/)
「FSWの処理時間は2022年を通して36か月に増加すると予想されています。」
FSWプログラムを通じてPRを申請した人の多くは、申請が処理されるのを1年以上待っています。
2020年3月にパンデミックでカナダの国境を閉鎖したとき、FSWで永住権を申請した人たちは他のプログラムで申請した人よりも優先順位が下がっていると感じていました。
そしてこれは実際にIRCCも認めています。
このIRCCメモが書かれたとき、FSWでの申請者の処理時間は20.4ヶ月かかっています。
しかしCEC候補者の場合、平均審査期間は約7.6ヶ月とIRCCの6か月の処理基準に近い数字です。
そしてさらにFSWでの申請者は処理時間が36ヶ月に増加する、と述べており、FSWでの申請者にとってはとても厳しい状況です。
5.PNP抽選は定期的に継続
“In this case, all FHS intake (FSW, CEC, and FST) paused would be maintained while continuing with PNP invitations.”
IRCCメモ(https://moving2canada.com/ircc-memo-express-entry-2022-no-draw-for-six-months/)
「FHS（FSW、CEC、FST）のすべての受け入れ停止は、PNPの招待を継続しながらも維持されます。」
IRCCは、PNP(Provincial Nominee Program：プロビンシャルノミニープログラム)でのエクスプレスエントリー招待状の発行を続けています。
このPNPは、国ではなく【州政府】による推薦プログラムです。
例えばBC州ではBCPNPというプログラム名となり、PNPというプログラム自体は、人材不足を補うため、ハイスキル業種に加えて、ジョブオファーがNOCのC,Dレベルの職種でも、州が必要としている職種であれば永住権の推薦状を出しますよ、というものです。
州政府による推薦なので、このBCPNPで申請するとほとんどの確率で永住権を取得することができますが、申請者のお給料、英語力、就労期間などはもちろん、さらに雇用主側にも1年以上BC州でビジネスをしていること（プログラムにより2年以上）や、5人以上のフルタイム従業員がいることなど様々な条件をクリアする必要があります。
このPNPの抽選は、2022年を通して定期的に継続されると予想されます。
エクスプレスエントリーの代替案
エクスプレスエントリーは、永住権申請のメジャーな方法として使われていますが、カテゴリーのひとつにすぎません。
他にも多くの永住権申請カテゴリーがあります。
最近では、上記で述べたPNPプログラムのお問い合わせをたくさん頂いております。
自分の場合はどのカテゴリーでの永住権申請が可能なのか、そのために準備はどのようにするのかなど、まずはぜひご相談ください！
MK VISA consulting
カナダ政府公認移民コンサルタント
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